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縞模様のパジャマの少年

01 03, 2012


原  題:The Boy in the Striped Pajamas
監  督:マーク・ハーマン
日本公開:2009年8月8日(アメリカ、イギリス製作)
上映時間:95分
キャスト:エイサ・バターフィールド、ジャック・スキャンロン、デヴィッド・シューリス、ヴェラ・ファーミガ、ルパート・フレンド

(あらすじ)
第二次世界大戦下のドイツで、ナチス将校の父の昇進により一家で殺風景な田舎に引っ越してきた8歳のブルーノ。退屈なあまり、母から立ち入りを禁じられていた裏庭からの奥の森へと探検に出たブルーノは、フェンスの向こう側に住む同い年のシュムールと出会う。彼との友情が、やがて自分の運命を大きく変えてしまうとは知らずに…



第二次世界大戦やこの時代のドイツについてはいろいろな映画・本・見解がありますが、この映画に関してはそれをただストーリーの一部として見られ、この時代の拠点、根源に戻っている気がします。
主人公の少年二人の純粋な瞳から映し出されるものはただフェンス越しにしか話せない友達同士ということだけ。
そこには「人種」や「戦争」、「差別」なんてもとは一切ありません。
それに子供からの視点だと、何が悪いのか・何が良いことなのか判断がつきづらく、「なぜ駄目なのか」「なぜ良いのか」を主人公ブルーノと一緒に考えさせられます。


追記で感想・ネタバレ



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ブルーノの姉については、この時代の「教育」がよく物語られています。
彼女がコトラー中尉に恋をしたことや、先生が新しくなったことにより洗脳に近い教育を受けています。ヒットラーを崇拝することや戦争を良いことだと思う込むことによって、攻撃的になり、無理に大人になったような姉。
姉がもう要らないと捨ててしまった、地下室に積み上げられた人形は、ブルーノが「農場」と思っている強制収容所のユダヤ人の死体のようにも思えます。

「なぜフェンスの向こうにいるのか?」
「なぜパジャマを着ているのか?」
「なぜそこへは行ってはいけないのか?」
「なぜ医者だったパヴェルが今じゃがいもの皮むきをしているのか?」
「なぜ父方のおばあちゃんがお家に来ないのか?」
「なぜシュムールのお父さんは見つからないのか?」
「何が煙突から臭っているのか?」



ただただ、「なぜ?」と思っていても答えが出ない。
お父さんはいい兵隊なのか?そんな疑問すら感じ取れます。
それはブルーノだけではありません。
ブルーノのお母さんや父方のおばあちゃんも疑問に思い、それに嫌悪を表し、拒もうとしだします。
この時代、国に逆らうことは大きな罪になっていたので、それを表には出さないものの、裏では悪だと思っている人も少なくはなかったでしょう。
自分の息子や夫が、人を焼き殺し、それを国の仕事だと遂行しているのですから、やはりいい気持ちもしませんし、それを詳しく知らずにいた自分にも腹が立ったと思います。
おばあちゃんに関しては、もとからよく思っていなかったようですし、さらに自分の息子が昇格し、忌んだことでしょう。


私がグッと来て悲しくなってしまったのは、ブルーノの家で仕事を許されたパヴェルとブルーノの会話です。
けがをしてしまったブルーノを、慣れた手つきで消毒するパヴェル。彼もまた縞模様のパジャマを着ている、脚の悪い初老の男です。
子供らしい、少しの怪我でも「しんじゃうかも」と思い込んでいる(からかっているようにも見えましたが…)ブルーノに、彼は「その必要はない」と断言。
「なぜ医者でもないのにわかるの?」
「医者だったから」
「じゃあ駄目な医者だったんだね」
と、冗談交じりで言うブルーノがパヴェルを見ると彼は泣いています。
それからパヴェルは尋ねます。
「きみは大人になったら何になる?ああ、しってる。探検家だろう」
このシーンにパヴェルの人生の一部が語られているような気がして悲しくなってしまいました。
自分にはない未来が、ユダヤ人ではない少年にはある…そう感じ取れます。
自分で選んでここへ奴隷として働いているわけではない、そう言ってしまうことも禁じられていますし、そう言っても少年はわからないだろうと。

ブルーノが暇を持て余し、「探検」をしてしまったことにより偶然出会った同い年のシュムール。
次にブルーノがシュムールに「なぜこんなところにいるの?」と尋ねれば、シュムールさえもわからないであろう「ユダヤ人だから」という答え。


少年と仲良くなっていくうちに、はたして自分の父親はいい父親なのか?
ですが、一度シュムールに食べ物を与えていたところを父親の部下のコトラー中尉に見つかってしまいます。
「いけないこと」だとわかってはいたでしょう。それに大きな声で怒鳴られ、咄嗟に「勝手に食べていた。こんな子とはあったことがない」と嘘をついてしまいます。
「それでいい」と、知り合いであっても知り合いでなくても、そう言うことが正しいというように頷くコトラー中尉。
ブルーノが純粋に疑問を持っていた数々の質問ですが、コトラー中尉の強引な行動がブルーノの疑問を大きくさせているような、押し潰しているような…

優しい父親も、コトラーのような人間ではないのか?
覗き見た強制収容所のねつ造されたビデオ。自分もこんな風に大人に騙されているのではないのか?
私ならこう感じると思います。


罪滅ぼしのように、ブルーノはシュムールの見つからない父親を探そうと提案し、ブルーノは強制収容所の中へと入ってしまいます。
大人がそれを「なぜいけないのか」を無理に正当化し、隠していたことによってこんな悲劇が生まれたのだと思います。
運悪く、探している最中にブルーノとシュムールは裸にされ、ガス室に詰め込まれてしまいます。
取り返しのつかない大きな惨事。
誰が、こんなことにしてしまったのかは、やはり時代のせいとしか言いようがありませんし、大人も子供も戦争に狂わされた感情はみな一人ひとりに与えられています。



この映画で気付いたことは、登場人物すべてにブルーノが質問をしているということです。
それが正しいのか、間違っているのか、8歳の少年には理解ができないと思います。
ですが、その純粋さに何が影響するのか、ブルーノは同い年のシュムールに感情をゆだね、小さな人生が終わりました。

彼らの演技も素晴らしく、子供の純粋さがよく表れています。
ここになぜいるのかも分からず、教えられず、きれいな瞳で見たナチスと強制収容所の出来事は、子供にはまだ早く、そして理解しがたかったのではないでしょうか。


解説にもあるように、子役二人はあまりこの時代のドイツについては教えられず、ほんとに「なぜ?」という気持ちを表現できていると思います。大きくきれいな瞳のエイサ・バターフィールドもかわいらしかったです。


俳優については、コトラー中尉のルパート・フレンドがとても顔立ちの整ったきれいな人でした。
コトラーは自分で自分の首を絞めているようにしか見えませんでした…失言が多く、あまり軍人には向いていないような気がします。
ですが無口な設定?なのか、子供の扱いにも慣れておらず、ブルーノに妙に怖がられていましたがそのあたりはよくわからず……


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